やったー!算数と国語の教科書、勉強だーっ!
小学校に入学すると、算数・国語など、ついに「勉強」が始まります。
お子さんも初めの頃は毎日の勉強が楽しくて仕方がなく、大喜びかもしれませんね。
でもそれは、これから中学・高校・大学へと続く、逃げることのできない試練の始まりなのです。幼稚園の頃は、遊びながら楽しく教えてもらっていた勉強、足し算が出来ただけで大喜びしてくれた家族、それらすべてが大きく変わっていきます。
算数の勉強が始まると、おはじきなどを使って数を数えることから始まり、足し算へと勉強が進んで行きます。繰り上がりの足し算を習う頃になると、計算でミスをするお子さんもたくさん出てきます。私の息子も繰り上がりの足し算をよく間違えていました。
6+8=13? って、何でそうなる!
14だろっ!
「繰り上がりの足し算が、指を使わないとわからない…」
「なんだ、そんなことがわからないのか。」
よしっ、お父さんが教えてあげよう!
と意気込んだのはいいのですが、小学生1年生の足し算の問題です。いざ教えようとしても、簡単すぎて教えるのが難しくないですか?
そうなんです。足し算や引き算など、当たり前にしている計算だからこそ、教えるのにはコツが必要なのです。
今回は、小学1年生の算数の習い始めから、繰り上がりのある足し算までの勉強について、正しい手順で教える方法を紹介します。保育園や幼稚園のお子さんに足し算を教えたい親御さんも必見です!
数を教える
何といっても、計算問題の基本となるのは数です。
しっかりと数を数えることが出来ないようでは、足し算どころではありません。それくらいは大丈夫だろう。でも、念のためきちんと確認して下さいね。
何事も基本が大事だよ!
1~10まで数える
まずは1~10まで、そして1~20まで。
それができれば、100まではあっという間に理解できることでしょう。
お子さんと一緒になって数字を見ながら1、2、…、10と数えていきましょう。
保育園の頃でしたが、私は息子と一緒にお風呂に入ったに、あと20まで数えたら上がろう、などと言って日常生活の中に数を数えることを自然に取り入れるようにしていました。
親子で一緒に数を数えよう!
1~100まで教える
数は、一つの位に0~9までの10個の数字が入り、9の次は10、19の次は20という風に9の次は、一つ上の位が変化することを教えてあげなければなりません。
わかってしまえば当たり前のこと。でも、知らなければ教えてあげなければいけません。19の次の数が20であることや、99の次が100であることは、初めは教えてあげなければ絶対にわかりません。
10飛ばしで覚えさせる
10、20、30、…、100という風に10飛ばしで覚えることも効果があります。
ポイントは2つです。
・声に出して数を数える
・日常生活の中で自然に取り組めるように工夫する
数を数えることが、勉強とならないように楽しみながら取り組むのがベストです。
おそらくどこのご家庭でも数を自然に教えておられると思いますが、この100まで数えることは、出来れば小学校入学までには終わらせておきたいですね。
日頃から絵本を読んだり、幼児向けの学習教材で数に慣れ親しんでおくことで、今後の算数の勉強にもスムーズに取り組めるでしょう。
勉強するのではなく、遊びの中で自然と身につけることがポイントです。
家での勉強?は楽しく行うのが一番大切です!
遊びの中に勉強を取り入れよう!
1桁の足し算(繰り上がりなし)
足し算を教える時には、まずはおはじきや幼児用の数の絵本などの簡単な道具を用意しましょう。
そして、2個のおはじきと3個のおはじきがあります。全部でいくつありますか。
といったような、ものを見ながら数を合わせるようにすることが大切です。
いきなり、2+3= などと問題を出してはいけません。式で計算する前に、数を合わせる(足す)ことの意味を理解させるのです。
目で見て足し算を理解する
おはじきや幼児用の数の絵本などで、数を合わせる(足す)ことを練習します。それを何度も練習した後で、これは2+3=5と式で書くことを教えます。
絵本などで簡単に練習できるので、小学校入学前に出来るようになっているお子さんも多いことでしょう。
もし、まだわかっていなくても焦ってはいけません。一つずつ数を数えながら練習させます。そして、出来たら必ず褒めてあげましょう。
毎日同じことを繰り返しながらも、幼児向けの絵本などを利用して、お子さんに勉強させているという意識を持たせないように工夫しましょう。
遊びの中に勉強を取り入れる、絵本を読んであげる中で足し算を取り入れる。
そんな風に楽しみながら、式を使わず繰り上がりのない足し算を練習してみましょう。
2+3=5というような、式を使った足し算は小学校に入学してからでも十分間に合います。それまでは、おはじきや絵本で目で見て足し算を理解するようにしましょう。
式で足し算を練習する
小学校で足し算を習う頃になると、今度は逆に、式をおはじきで置き換えて理解させることも必要でしょう。まずは、式を図や絵で置き換えてあげます。
このことは、後に大きな数の計算や文章問題になった時にも効果を発揮します。
しかし、たぶん指を使って数を数えるお子さんも多いことでしょう。
理解の早いお子さんや大人にとっては、何ということもない計算であっても、初めて習う時には本当にわからないものです。
そんな時には、おはじきや絵を描いて式の意味を説明してあげる必要があります。
10を作る練習
繰り上がりのない答えが一桁の計算が出来るようになれば、次は答えが10以上になる繰り上がりの足し算の練習をします。
しかし、繰り上がりの足し算を教える前に練習する必要があるのが、10を作る計算です。この練習は絶対に欠かせません!
4に何を足せば10になる?→ 6
2に何を足せば10になる?→ 8
もっとテンポよく、3 → 7、9 → 1、4 → 6
こんな練習をたくさんする必要があります。
繰り上がりのない足し算と10を作る練習、これが繰り上がりの足し算を教える時に絶対に必要なのです。
「こんなことしたかなぁ?」
そう思われるかもしれません。知らず知らずのうちに通り過ぎてしまったのかもしれません。でも、誰もが一度は通ってきた道なのです。
繰り上がりの足し算を、どうしても間違えてしまう場合には、まずはこの10を作る練習をたくさんこなすといいよ!
数の合成と分解
少し難しい話になりますが、繰り上がりの足し算には数の合成と分解が必要なことをご存じでしょうか。簡単に言えば、
3に何をたせば10になるか?
という合成と、
8は3と何を合わせた数ですか?
という分解です。
数の合成や分解という言葉を教える必要はありませんが、足し算を教える上で必要な知識として覚えておきましょう。本当に足し算を教えることは、簡単すぎて当たり前にしてしまうからこそ難しいのです。
1桁の足し算(繰り上がりあり)
ここからが一気に難しくなります。指を使うだけでは、指の数も足りなくなってきます。
7+5= これをやってみましょう。あなたはどうやって小学1年生のお子さんに教えますか?なかなか教えることは出来ないのではないでしょうか?
当たり前に答えが12とわかるあなたは、いざ教えるとなると難しく感じるはずです。また、それで当然だと思います。
おはじきや絵を使う
まず、今までやってきたように、おはじきや絵を使って教える方法があります。これは、今までもやってきたことなので説明の必要もないでしょう。
数が多くなるので面倒ではありますが、確実に教えることが出来ます。
ただ、この方法では先が続きません。どこかでおはじきや絵を使った方法から抜け出す必要があります。そこで、10を作る足し算で計算する方法を教えていきましょう。
10を作る方法から教える
7+5= の計算をするときに必要となるのが10を作る計算です。
7に何を足せば10になるでしょう。
3ですね。
ですから、後ろの5を3と2に分解します。
つまり、7+5を7+3+2と考え、10+2の計算をするのです。答えは12です。
もう1問やってみましょう。
6+7= → 6に4をたせば10になるので、7を4と3に分けて、6+4+3=13です。
7+6と式を逆に考えて、7+3+3=13でもいいですね。
何か面倒なことをやっているように思うかもしれませんが、この方法をほとんどの人が無意識に行っています。
えっ!?こんな面倒な考え方なんてしてない?
7+5=12では、10を作る計算なんて考えていないと思うかもしれませんが、それは計算に慣れて答えがすぐに出てくるようになっているだけなのです。
初めのうちは、誰でも繰り上がりの足し算をするときには、この考え方を使っています。そして小学校でも同じ方法で習います。
さくらんぼ算
小学校では、この方法をさくらんぼ算という呼び方で学習します。
それは、大きい数で10をつくる方法で、今まで説明してきた方法と同じです。
4+9= の計算は、大きい数字9に何を足せば10になるかを考えます。
1ですね。
そこで、小さいほうの数字4を1と3に分けます。
これが、さくらんぼの2つの実になるように見立てています。
9+1+3=13というわけです。
繰り上がりの足し算の大切さ
繰り上がりの足し算は本当に大切です。もしかすると、算数で一番最初に戸惑うところになるかもしれません。
そして10を作る練習はもっと大切です。
10を作る練習、繰り上がりの足し算の考え方は、この後の引き算や繰り下がりの引き算でも使うことになるよ。
自然に理解して過ぎ去ってしまう繰り上がりの足し算ですが、繰り上がり、つまり10を作るという考え方が大切なのです。
まとめ
今回は繰り上がりの足し算の教え方について紹介しました。
お子さんに足し算を教えるとなると、あまりに当たり前になってしまっているため教えることは意外に難しいものです。
その時には、
1.1~100まで数えられるようになる
2.おはじきや絵を使って、足し算(合わせること)の意味を教える
3.足し算の式の意味を教える
4.繰り上がりのない足し算を教える
5.10を作る練習をする
6.繰り上がりの足し算を教える
この流れで教えていくのが自然です。
面倒なようにも思いますが、算数が嫌いにならないようにするためにも、親子一緒に楽しく教えてあげて下さい。そして、出来た時には褒めることを忘れないようにしましょう。怒るよりも褒める方が何倍も学習意欲が高まります。
勉強にしても運動にしても得意・不得意があるものです。周りの誰とも比べる必要はありません。時間をかけて覚えたことは、なかなか忘れにくいものですから、焦らず基本を大切にしましょう。
間違えたからといって決して怒らずに、お子さんのペースに合わせて楽しく勉強を教えてあげられるといいですね。
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