あなたは寒九という言葉をご存知でしょうか?
1月頃に寒九(かんく)という言葉を聞く機会があるかもしれません。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、どんな意味を持っているのでしょうか?
今回はそんな寒九の意味やそれに由来する言葉について調べてみました。
寒九の意味とは
寒九とは、寒に入ってから9日目。
つまり1月13日(14日)頃を指す言葉です。
だから何?と思うかもしれませんが、
旧暦では1月5日(6日)頃からは、小寒と呼ばれる時期になり、冬の寒さが一番厳しくなる寒の入りになります。
その日から9日目が寒九ということになるのです。
寒九という言葉が使われている例としては、
寒九の水
寒九の雨
などがあげられます。
ではなぜ、寒の入りから9日目という中途半端な時期なのかというと、どうやら寒九の水、寒九の雨とも関係があるようです。
寒九の水とは?
寒九の水とはその名の通り、寒九に汲む水のことです。
小寒から9日目の寒九の日には寒さと乾燥のために、雑菌の繁殖が抑えられるため、一番水が澄む日とされています。
そのため、この日に汲んだ水は質がよく腐りにくいのです。
特に寒九の水は薬を飲むのによい、薬になるとまでいわれています。
また、この時期の水は質がよいことから、水の質が味に大きく影響する酒造りがさかんになります。
寒の入りから9日目が1年で一番水が澄む日で、その日に汲む寒九の水は、昔から重宝されていたようです。
現在でも、寒九の水汲みと呼ばれる伝統行事があります。
銘酒・菅名岳を仕込むため、菅名岳の麓のどっぱら清水まで水を汲みに行く毎年恒例の行事のことです。
このように、寒九の水は今でも受け継がれている重要な水なのです。
寒九の雨とは?
寒にはいって九日目に降る雨のこと。
農家で豊作の兆(きざし)として喜ばれている。
一年で一番水の澄んだ日に降る雨になり、寒九の雨が降った年は春が近いともいわれているようです。
このように昔から寒九の日には重要な意味があり、それが今も受け継がれているようです。
小寒・大寒(二十四節気)
二十四節気といわれてもピンとこない人も多いと思いますが、春分、秋分、夏至や冬至と言われれば誰もが耳にしたことはあるでしょう。
二十四節気とは、中国の戦国時代の頃、季節を春夏秋冬の4等区分する暦のようなものとして考案された区分手法のひとつです。
その二十四節気の中で、1月5日(6日)頃の小寒から1月20日(21日)の大寒の間にあるのが寒九になります。
小寒:この日が寒の入り。この日から節分までの期間が「寒」になります。寒さがこれからが本番となる時期です。
大寒:一年で一番寒さの厳しい頃のこと。逆に言えばこれから少しずつ暖かくなるともいえます。
これを見ると寒九は、寒さの厳しい時期であることは間違いありません。
しかし、昔の人は寒くてつらい時期とだけは考えなかったようです。
このような、寒くてつらい時期にもその季節季節の特性を考えられて取り入れられた言葉が寒九です。
こうやって改めて寒九という言葉を調べてみると、いろいろな意味が込められていることがわかります。
このような昔からの言葉は、大切に次の世代へとつなげていきたいものです。
まとめ
寒九の意味は、寒の入りから9日目にあたる1月13日(14日)頃を指す言葉です。
また、寒九の水という言葉があります。
寒九の日が一年で一番水の澄む日であり、寒九の水は薬を飲むのによい、薬になるとまでいわれています。
さらに、寒九の雨という言葉もあります。
寒九の日に雨が降ると、農家では豊作の兆(きざし)として喜ばれているようです。
今年も寒九は目前に迫っています。
これを機会に寒九の水を飲んでみるのもいいかもしれませんね。
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