子供を私立中学に進学させようかしら?そんな風に軽く考えられている方もおられるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
そんな安易な考え方で合格できるほど私立中学の受験は甘くありません。軽い気持ちで考えておられるのであれば、早いうちにやめておくほうが無難です。
実際のところ、中学受験をするとなると親御さんやお子さんにかかる負担は計り知れないものがあります。場合によっては、おじいちゃん、おばあちゃんの助けも借りて、家族全員を巻き込んだ受験になることを覚悟しておく必要があります。
お子さんは、友達と遊びたい、ゲームをしたいのを我慢して夜遅くまで勉強しなければなりません。
親御さんは、あまりに高額な塾の費用に頭を抱えることもあるでしょう。
そんな親子が受験勉強をめぐって毎日のように親子喧嘩、こんなことも少なくありません。
本当にそこまでして私立中学を受験をする必要があるのか?
今回は私立中学に進学するメリットとデメリットについて考えてみました。
中学受験は、本当に家族全体を巻き込んだ戦いになるよ!
私立中学に進学するメリット
少子化と言われる現在でも、私立中学に通う生徒の割合は年々高くなっています。
その割合は、中学生全体の7.2%、東京都だと24.4%にもなります。(参考元:http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/education/4.html)
東京都ではおよそ4人に1人が私立中学に進学していること考えると、その割合はかなりのものですね。そこで地元の公立中学にはない、私立中学のメリットを考えてみました。
高校受験(大学受験)がない、大学受験に有利
中・高一貫の私立中学に進学する一番のメリットは、何といっても高校受験がないことでしょう。
「うちの子は、運動音痴で絵もさっぱり…」
「内気で本当に人と話すのが苦手…」
こんなお子さんは、高校受験において内申点で大きく損をすることになります。実技科目の成績が悪い、先生からの評価が低い場合、内申点が低くなり、自分の希望する公立高校に進学できない可能性があるのです。
その一方で、私立中学に進学できれば高校受験がありません。そのため、中学・高校の6年間で学ぶ内容を5年間で学び終え、残りの1年は大学受験のための勉強に集中するといったことも出来るのです。また、大学付属校へ進学した場合には、大学受験も必要ありません。
このような大学入試に有利、大学受験が必要ないことは、私立中学に進学する最大のメリットと言えます。親御さんのほとんどが、これを第一に考えて中学受験を希望しているのは間違いありません。
また、公立中学校に進学すると必ず問題となる、勉強(塾)と部活の両立に悩むといったこともほとんどありません。部活動は中学・高校を通して行えます。
勉強や生活面の指導が熱心
私立中学・高校では学力面のサポートが充実しています。それは、自分の学校からの進学率が、学校の評判に大きく影響するからです。
一人でも多くの生徒を有名大学に進学させるため、熱心に指導されています。
実際に私立中学に進学した生徒からは、
「毎日学校で居残り補習があるねん」
「土曜日も毎週授業やで」
「夏休みの半分は学校で授業や補習があるし…」
などと、口をそろえて学校での勉強に不満をもらします。
お子さんが望むか望まないかは別として、公立中学以上に勉強熱心であることは間違いありません。そのため、高校受験や大学受験にかかる塾代を抑えることが出来ます。
また、進学した中学校の生徒は、比較的個々の生徒の能力に差が少ないので、自分の学力に合わせた指導が受けられます。
生活面でいえば、いじめ問題なども学校の評判に関わるため、対応が早い傾向にあります。校風や学校理念などに共感できる学校を選び、進学させることで安定した中学・高校生活が送れるのもメリットでしょう。
その他のメリット
・公立小学校では習わない難しい内容を勉強することが出来る
中学受験のために勉強する内容は、公立小学校では習わないことも多くあります。
そのために途中であきらめてしまう生徒もいますが、中学受験のための勉強は決して無駄になることはありません。それを勉強したことで、思考力や想像力などが培われ、その後の勉強にも有利になることでしょう。
・地元の公立校の評判がよくない
学級崩壊やいじめ、熱心過ぎる部活動など地元の学校の評判があまりよくない場合もあります。
「教室がうるさくて授業になってないらしいで…」
「学校の先生が、わからないところは塾で聞きなさいと言ってたわ」
「土日も朝から夕方まで部活で、勉強どころじゃないわ…」
もちろん公立中学校が悪いわけではありませんが、地元だけにいろいろな噂を耳にする機会も多いのです。
そのことを考えると、勉強に熱心で、充実したサポートの受けられる私立校へ進学することで安心して子供を任せられます。
・思春期前のお子さんと意思疎通のしやすい時期に受験が出来る
中学校になると子供が思春期を迎え、親子の会話がなくなりがちです。
また、「勉強しなさい!」、「いつまでゲームしてるの!」、「夜10時からは、スマホは禁止!!」
「うるさいなぁ、ほっといてくれよ!」、「・・・(無視)」
毎日のようにこんな親子喧嘩することもあるでしょう。
お子さんが小学生で意思疎通がしやすい時期に、じっくりと話し合って納得のいく受験を迎えることが出来るのもメリットと言えるでしょう。
・受験に失敗しても大丈夫
万が一中学受験に失敗するようなことがあっても、地元の公立中学校へは進学が出来るため、安心して受験が出来ます。
やっぱり、高校受験がないことや、大学受験に向けて充実した勉強ができる環境があるのは魅力的ですね。
このようにメリットだけを挙げてみると、私立中学に進学することは、いいことばかりのようにも思いますが、実際はそうではありません。
私立中学に進学するためには、避けて通れない問題があります。そう、私立中学受験のための勉強です。
次に、中学受験をするデメリットについて考えてみたいと思います。
中学受験(私立中学に進学)をするデメリット
私立中学に進学するためには、親も子供も乗り越えなければならない問題がたくさんあります。まさに中学受験がその代表です。
また実際のところ、私立中学に合格した!と安易に喜べない一面もあるのです。
中学受験を始める前に、そして中学受験を辞めようかと考えた時に読んで頂きたい内容を紹介します。
費用の問題
私立中学を受験するための塾代だけでなく、進学した後の私立中高の学費、通学にかかる費用または寮の代金など多額のお金が必要です。
中学受験は裕福な家庭でないとできない、と言われるほど費用が掛かります。
単純な塾代だけでも、小学4年生から通わせると約250万円が必要です。
この上さらにオプション講座や合宿など、追加で必要なお金も相当な金額になることも考えおく必要があります。
私立中高へ進学するということは、中学受験にかかる費用だけでなく、その後の費用も公立中学に進学するのとは比べ物になりません。それだけお金が必要なことは、覚悟しておく必要があるのです。
子供の負担が大きい
小学6年生になれば週に4日は、塾に通っています。夏休みは塾で1日6時間は勉強し、宿題も出る。お盆も合宿でゆっくりできない。冬休みは当然のように毎日塾で勉強。お正月も塾で追い込みの特訓です。
このように、毎日のように塾に通ったり、塾の宿題で夜遅くまで勉強することは、お子さんの身体的な負担が大きくなります。
そして、塾を最優先に考えるようになるため、友達と遊ぶ時間も無くなります。当然、今まで続けていた習い事などは、続けることが出来ないでしょう。また、学校と塾の勉強や宿題を両立してこなす必要があるので、時間的な余裕がなくなります。
このように考えると、お子さんにかかる負担は身体的なものだけでなく、受験へのプレッシャーもあり、途中でやめたいと言い出すお子さんがいるのも当然のことなのです。
親の費用以外の負担
お子さんを塾に送迎したり、塾で食べる弁当を用意したり、家では塾での勉強をサポートする必要があります。お子さんの体調を管理するのも親の役目です。週ごとのスケジュールをしっかりと立てて、無理なく勉強できるようにサポートしてあげて下さい。
勉強を教えようと思っても、高学年になると答えを見ても全く解き方すら理解できないことも多いでしょう。お子さんが毎日の宿題で困っているときに、塾の勉強を親がサポート出来ない場合、個別塾や家庭教師を考える必要があるかもしれません。
私立中学合格後の問題
地元の公立校と違い、通学に時間がかかることも多いため、朝早く起きる必要があります。また、学校が勉強に熱心なため、居残り補習や宿題などで手一杯になり、結果的に睡眠時間が短くなり体調管理が難しくなります。
また、地元の友達とのつながりが希薄になり、地域とのつながりも希薄になりがちです。
受験に失敗する
そこまで頑張っても、第一志望の中学に合格出来るとは限りません。受験の倍率が3倍を超えるような学校も珍しくありません。
必死になって勉強したのに…。それでもおよそ3人に1人しか志望校に合格できない現実。
でも頑張ったのは、自分のお子さんだけではありません。周りの受験生は全員、合格に向けて必死に努力しているのです。
第二志望、第三志望と考えていくと、私立中学に進学することは叶うかもしれません。ただそれは、本当に望んでいた結果とは違う場合もあります。
私立中学受験のために勉強してきたことは、どこの中学校に進学することになっても無駄になることはありません。ただ、受験に向けて努力した全員が合格できるわけではない、という事実も忘れてはいけません。
このように、中学受験とは周りの友達より難しい勉強をするだけではありません。小学4年、5年から受験の日まで、親子が二人三脚で、場合によっては家族全員で取り組む必要があります。
子供だけが頑張るのではありません。それ以上に親が頑張る必要があります。
本当に中学受験をするお子さんは、子供よりも親の方が熱心ということも少なくありません。その気持ちにお子さんがきちんと応えてくれればよいのですが、なかなか上手く行かずに毎日のように親子喧嘩をするという家庭も多いのです。
軽々しく中学受験をしてみようかな?とは、口にできない現実があるんだよ。親子ともに相当な覚悟をもって臨んでね。
まとめ
今回は私立中学に進学するメリットとデメリットについて紹介しました。
実際に中学受験をすることになると、本当に親子二人三脚となって、場合によっては、おじいちゃん、おばあちゃんの助けも得ながら頑張ることになります。
中学受験で勉強したことは決して無駄になることはありません。
そして、受験は誰もがいつかは経験するものです。
しかし、中学受験も高校受験と同じで当日の試験の一発勝負です。
まだまだ幼い小学生には、合格・不合格と判定されるのは、少し酷な気がしないわけではありません。しかし、必死になって頑張っても第一志望校に合格出来るお子さんは少ないという現実を覚えておきましょう。
中学受験を検討されている方は、お子さんとよく話し合って考えて下さい。本当に私立中学を受験する必要があるのか?周りに流されていないか?本人のやる気と親のサポートは大丈夫なのか?考えるべきことはたくさんあります。
決して安易に決めるものではありません。十分すぎるほど話し合ってから決めても遅くはないはずです。後悔のない選択をしてほしいと思います。
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