深海という未知の世界は、不思議に満ちあふれています。
日光の届かない深海で生物はどのように生活しているのか?そこには多様で独自性に富んだ生物群や化学合成生態系の存在があります。
化学合成生態系とは、太陽エネルギーにほとんど依存せず、地球内部から湧き出す湧水に含まれる硫化水素やメタンをエネルギー源とする化学合成細菌が作る有機物に依存する生態系です。
これら深海の生態を調べることで、生物の起原や進化の過程を解明できると期待されています。
そしてそれを研究している第一人者が長野由梨子さん。また、そんな深海の探索を可能にしているのが「しんかい6500」です。
今回は「深海の真菌」深海菌について紹介していきたいと思います。
それでは、あなたも海底大冒険へ!
「しんかい6500とは?」
1989年に完成した「しんかい6500」。
その名の通り、深度6,500mまで潜ることができる潜水調査船です。
しんかい6500の実績
これまで1500回以上も潜航しており、日本近海に限らず、太平洋、大西洋、インド洋等で、海底の地形や地質、深海生物などの調査を行っています。
現在運航中の大深度まで潜ることのできる有人潜水調査船は、世界でも7隻しかないのです。
しんかい6500によって、未知なる深海の様子が今までに解明されてきました。
しんかい6500のミッション
・地球内部の動きをとらえる
・生物の進化を解明する
・深海生物の利用と保全
・熱・物質循環を解明する
以上のようなことを中心に今も日本近海、そして世界中の深海を探索しています。
「しんかい6500」のもっと詳しい説明は以下のサイトを参考にして下さい。
深海菌とは?
「深海の真菌(深海菌)」とは深海に生息するカビやキノコの仲間で、いま世界中で注目されているのです。
なぜ深海菌が注目されているのか?
深海菌は、抗生物質をはじめとする医療に役立つ物質を作ることに期待が集まっています。また、最近では環境保護への貢献も期待されているのです。
深海はまだまだ未知の部分が多く、深海菌の遺伝子を研究することによって、これまで実現できなかった、遺伝子治療による難病治療の可能性を秘めています。
また、今後人類が直面する食料問題などに向けて、深海生物資源の持続的な利用や、多様な生理機能を有する深海生物の遺伝子資源の研究が必要とされています。
深海菌研究による今後可能性
・医療に役立つ物質を作る
・食糧問題の解消
・環境保護への貢献
それだけでなく、今までに知られていなかった深海の生物を研究することで、生物の起原や進化の過程を解明できると期待されています。
海洋研究開発機構研究員
「深海環境における真菌多様性解明とその機能探索」というテーマで研究を進められているのが、海洋研究開発機構研究員の長野由梨子さんです。
長野さんは深海菌に魅せられた人物の一人で、深海生物多様性研究グループに所属されています。
深海生物多様性研究グループでは、「魚類を始めとした高等動物から原生生物や真菌類といった真核微生物に至る深海生物の多様性を理解し、環境変動により深海生態系が受ける影響を、研究船を用いた現場観測や環境DNA解析などを通じて把握する事」を目標とされているようです。
深海菌が注目を浴びている今、深海生物多様性研究グループの今後の活躍に期待が高まります。
まとめ
深海はまだまだ未知の部分が多い世界です。
その未知なる部分を探索することによって、私たちのこれからの生活をより豊かにする大いなる可能性目を秘めています。
あなたも目の前に広がる光景だけでなく、少し違った世界を調べ、興味を持つことで新たな世界が広がっていくかもしれません。
しんかい6500の活躍、深海菌の研究には今後も注目していきたいと思います。
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