国語のテストを採点をしているときにもったいないと思う、小学生の国語の解答で一番多い間違いは何だと思いますか?
答えは、
設問に合うように答えられていない
という基本的なことです。まぁ、言ってしまえばこれが出来ないからこそ、国語が出来ないので当然のことです。
しかし、採点をしながら「あぁ、もったいないなぁ」と何度もつぶやいてしまいます。
そして少し厳しかなと思いながら、「本人のため!」と思い不正解にします。△には絶対にしません。
しかし、これは小学生に限ったことではなく、中学生でも多くの生徒が同じ間違いをします。小学生の時に、しっかりとした答え方を身に付けていないので、中学生になっても同じ間違いをするのです。
今回は、記述問題の設問に合った正しい答え方をおさらいします。国語の点数が思うように伸びないお子さんは、意外に単純なミスをしていることが多いものです。
この機会に、正しい解答の書き方をマスターしましょう。
設問別!答え方のポイント
わかりやすい例を挙げて、設問の正しい答え方のポイントを説明していきたいと思います。
「あっ、この問題、前のテストで間違えた!」
「解説を聞いたら思い出すけど、テストではいつも間違えてしまうわ」
そんな声が聞こえてくるような、どれも授業やテストの解説の時間に、何度も説明されている問題ばかりだと思います。このポイントに注意して設問を読むようにするだけで、記述問題はかなり解けるようになるでしょう。
一番間違いの多い設問
問 ・・・とは、どういうことですか。文章中の言葉を使って答えなさい。
この問題のポイントは赤の下線を引いた2つの部分です。
まず、どういうことですか。と問われているので、答えは・・・ということ。で終わらなければいけません。「こと。」が抜けていると絶対に不正解です。最後の句点「。」も忘れてはいけません。
そして、文章中の言葉を使って答えなさい。と問われているので、文章中の言葉を使わなければ不正解です。ただ文章中の内容を書き抜いただけでも不正解です。文章中の言葉を使い、最後の締めくくりを「・・・ということ。」の形で答えます。
絶対にテストでは出題される典型的な問題だよ。設問をよく読んで、文末の表現まで気を付けて書こうね。
読み間違いの多い設問
問1 ・・・は何を表していますか。文章中から20字以内で抜き出して答えなさい。
問2 ・・・は何を表していますか。文章中の言葉を使って20字以内で答えなさい。
問3 ・・・は何を表しているかを20字以内で答えなさい。
上の問1~3の3つの設問の違いがわかるでしょうか。3つ並べて書いていますので、少しはわかりやすいと思います。
問1は、「抜き出して」がポイントですね。抜き出す問題は、文章と一字一句違わないように書き抜かないと不正解です。最後に不必要な句点「。」を付け加えてもいけません。そのまま抜き出すだけです。
問2は、「文章中の言葉を使って」がポイントですね。問1と違い、自分なりに文末の表現などを工夫する必要があります。本文をそのまま抜き出しては不正解です。
問3は、自分で考えて答える問題です。当然、文章中の言葉を使っても構いませんが、答え方に工夫が必要な問題です。問1~3の中では、一番難しい問題になるでしょう。
文章中の言葉を書き抜く問題、文章中の言葉を使って答える問題、自分で答えをまとめる問題の違いを設問から読み取ろう。
答えの文末に注意する問題
問1 ・・・は、どういうことですか。
問2 ・・・は、なぜですか。
問3 ・・・とは、どんな方法ですか。
どれも答えの文末の表現が間違っていれば不正解です。
問1は、「・・・ということ。」で締めくくります。問2は、「・・・だから。」、問3は、「・・・という方法。」になります。最後には、必ず句点「。」をつけるのを忘れないようにしましょう。
この問題は、小学4年生や5年生の間に徹底して教える必要がある、本当にミスが多い問題です。採点をする側としては、記述問題の文末の表現は特に厳しくチェックしていますので、注意して答えましょう。
答えの文末の表現は、国語の記述問題で一番大切な部分だよ。設問に応じた答えが書けるように練習あるのみ!
文字数制限のある問題
問1 ・・・、20字以内で答えなさい。
問2 ・・・、20字程度で答えなさい。
文字数に指定がある問題で注意することは、少なくとも指定された文字数の8割以上になるように答えることです。
問1では、16字~20字で答え、問2では、16字~24字の範囲に収まるように答えを書きます。20字以内で答える問題に、10字程度しか答えを書いていなければ、原則、不正解になることも覚えておきましょう。20字を超えた答えを書くと、必ず不正解になります。
文字数制限がある場合には、文章を簡潔にまとめる力が問われますので、簡単な問題から難しい問題まで数多く出題されます。一文を書き抜くだけでなく、二文、三文の内容をまとめて答えるような問題もありますので練習が必要です。
決められた文字数で答えられるように、文章をうまくまとめよう。
代名詞や指示語は使わない
文章中から抜き出す問題以外では、原則として代名詞や指示語が何を表しているかをわかりやすく書き直して答えます。
(誤)答 彼がそれをしたから。
(正)答 健司がけんかをしたから。
これは、「文章中の言葉を使って答えなさい」という問題の場合に、指示語をそのまま使い、間違えて答えてしまう典型的な問題です。
これは6年生になっても本当に間違いが多い問題です。文章で代名詞が使われている場合には、答えを書くときには何を指示しているかを明確にする必要があります。何度も復習して答え方を覚え、少しずつ間違いを減らしましょう。
指示語は、答えでは使わず、その内容を具体的に書こうね。
句読点の付け方
原稿用紙の使い方とテスト問題の答え方では違いがあります。よく注意しておきましょう。
20字以内で答える問題の時に、最後の20字目に「た。」を同じマスに入れてしまうのは間違いです。原稿用紙の書き方では、最後のマスに句読点が来た場合に、同じマスに入れるように指導されています。これは正しい書き方です。
しかし、テストの答案では「た」と「。」を同じマスに入れることはありませんので、21字で答えたことになります。
同じように、原稿用紙では句読点が、行の初めに来ることはありませんが、国語のテストでは、句読点も1文字と数えことが多いため、行の初めに句読点がくることがあります。
句読点にも必ず1マスを使うこと!正しい原稿用紙の使い方とは違うことに注意しようね。
設問別!答え方のポイントのまとめ
おそらくいつもお子さんの答案を見て、「なんでわからないかなぁ」「この前も言ったのに」と、何度も指摘したことのある内容だと思います。ただ、一度や二度説明しただけでは、なかなか理解できないものです。特に文末の表現については、何度も何度も同じことを説明する必要があるでしょう。
「あっ、しまった」、「また同じミスをしてる」
これは本人が一番よくわかっています。そして、同じ間違いを繰り返していくうちに、少しずつ間違いが少なくなっていきます。テストの結果だけでは決して怒らずに、出来ているところを褒めてあげ、復習をしっかりとするようにして下さい。
何よりも大切なことは、テストの結果よりも復習!受けっ放しにならないように、理解まで何度も文章を読み直しましょう。
追記:記述問題は絶対に飛ばさない!
「40字程度で答えなさい!?これ無理や」
「記述問題はほんとに嫌い」
そんな気持ちもわからないことはないです。しかし、記述問題は文章中に必ず答えとなる部分があります。設問の棒線部分の前後を読むだけでも答えがみつかることが多いのです。ですから、記述問題はテストでも宿題でも、飛ばさずに書くように練習しましょう。
特に、設問に指示語が入っている場合には、答えはその部分よりも前に書いてあります。最後の問題で筆者の意見をまとめる問題では、文章の初めの段落と終わりの段落を読めば、答えが書けることも多いのです。
「選択問題は、適当にでも答えが選べるけれども、記述問題はわからない」
そんな理由で飛ばしてしまう生徒がいるのですが、もったいないことです。記述問題では、部分点がもらえることがありますので、前後の文章をよく読み、完全でなくても必ず答えを書くようにしましょう。
また、せっかく書いた解答も文末の表現や設問の指示に合っていないために間違いになる解答も目立ちます。問題をよく読んで落ち着いて答えましょう。
記述問題の答えをしっかりと書くコツ
まず文章をしっかりと読み、自分で問題を解きます。そして答え合わせの時に、解答を見ながらそれを参考にして、その答えが自分で書けるように練習します。解説をしっかり読んでポイントを理解することが大切です。
決して答えを書き写すだけの作業にならないように注意しましょう。
そして、答え合わせの終わった問題は、時間をおいて解き直すのも効果的です。一度読んだ文章、一度答え合わせまで終わった問題ですから、しっかりと答えを書けるようになっているはずです。
そうやって記述問題の答え方に慣れていく必要があります。設問のパターンはいろいろありますが、それでもある程度は限られています。こう問われた時には、こう答える。何度も練習して覚えてしまいましょう。
答えをただ書き写しても何の意味もないよ!自分の力で答えが書けるように復習しようね。頑張れ~。
まとめ
まずは、国語の記述問題は難しい!という思い込みをなくしましょう。選択問題と同じように絶対に飛ばすことなく解くようにしましょう。そして、同じ問題を繰り返し解き、設問ごとの解法のポイントをつかみましょう。
ほとんどの記述問題は、問われ方も答え方も限られています。設問を注意深く読むことで、読み間違いや文末表現などでミスをすることも無くなっていきます。
国語は記述問題で大きく差が出ます。だからこそ、記述問題で得点できるようになる必要があります。そのためには、問題を解くときよりも答え合わせに時間をかけることです。解説をよく読んで文章の内容を理解し、自分できちんと答えが書けるように練習をしましょう。
今回紹介した「設問別!答え方のポイント」は、誰もが一度は間違えるポイントです。だからこそ、この機会にしっかりと頭の中に叩き込んで、同じ間違いをしないようにしましょう。
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