お盆の時期はお客様がいらしたり、親戚一同で集まったりする機会が増える時期ですね。
大切な方々の心を込めておもてなしするため、どんなお料理を作ったら良いのか、どんな食器に盛り付けたら良いのか、色々考えることが多いですよね。
そこで今回は、お盆の時期におすすめの簡単に作れるおもてなし向けメニューや、おすすめの盛り付け方、お盆の食事文化の豆知識も含めて紹介します。
「お盆」の由来や意味
私には、何となく親戚が集まって、ご先祖様を供養する日というイメージしかないお盆ですが、詳しく調べてみると意外な由来があります。
「お盆」とは
「お盆」の意味は、お盆は「盂蘭盆会」という言葉からきています。これはサンスクリット語「ウラバンナ」から来ていて、逆さ吊りのことを言いました。
自分の亡き母が逆さ吊りにされて苦しんでいる夢をみたお釈迦様の内弟子の一人が、どうしたら供養ができるかと、お釈迦様に相談したところ、お供えをして神様に祈りなさい、ととかれたことから現在の行事となっていきます。
この盂蘭盆と先祖崇拝が融合したものが、現在のお盆の形となったと言われています。先祖や故人を偲び、今ある自分を省みることが根幹にある考え方です。
意外に知らないお盆の由来だったのではないでしょうか?
お盆に食べるもの
では、親戚が集まるお盆に食べるものは何がいいのかということが疑問になるかと思います。
少し調べてみると、お盆に食べるものは、地域やご家庭にもよりますが、次のような食べ物が挙げられます。
○ 精進料理
○ おはぎ
○ そうめん
○ 白玉団子
○ 落雁(らくがん)
などです。その中でも代表的な精進料理について紹介します。
お盆におもてなしする「精進料理」とは?
「精進料理」っていったいどういう料理なの?という人もいるかもしれませんよね。
「精進料理」って言葉は知っているけど、詳細まではよく知らないし、説明出来ないという人も少なくないのではないでしょうか。
精進料理とは
「精進料理」とは、一般的に「肉」「魚」「卵」などの動物性食品を使わず、野菜や豆・海藻・果物などを用いた料理のことを言います。
また「精進料理」は和食の原点でもあります。旬の素材を選びから始まり、丁寧な処理に緻密(ちみつ)な調理法、繊細な盛り付けが基本となっているのです。栄養素的にも考えられて調理されています。
お盆に精進料理でおもてなしする理由
お盆は、祖先と一緒に生きてきた動物たちに感謝するという意味や仏教の教えの中にある1つ「五戒」では、生き物の殺生が禁止されていることからも、肉や魚などの食材を使わずに野菜や豆などを中心とした「精進料理」でおもてなしするようになったといわれています。
「精進料理」には、重要なポイントがあります。「五」から成り立つ料理で、五つの調理法に従って作られる料理が「精進料理」なのです。
1.「五味」とは
「甘い」「辛い」「酸っぱい」「苦い」「塩辛い」という五つの味のことです。
2.「五色」とは
「赤」「白」「黄」「緑」「黒」という五つの色のことです。
3.「五法」とは
「生」「煮る」「焼く」「蒸す」「揚げる」という五つの調理法のことです。
お盆のおもてなし「精進料理」に使ってはいけない食材もあるの?
精進料理には、食べてはいけないとされる「五辛(ごしん)」「五葷(ごくん)」という食材があります。
祖先と一緒に生きてきた動物たちへの感謝の気持ち。仏教で生き物を「殺生」することが禁じられていることから「精進料理」を食べるという意味もあるのです。
お盆の期間とならわし
ちなみにお盆とは、8月の13日から16日までの4日間をいい、13日には迎え火をしてご先祖様をお迎えし、16日には送り火を炊いてお帰りいただきます。
この期間には「桃、スモモ、杏、ナツメ、栗」を供えて、身を清めてお迎えし、仏様の帰ってくる期間は殺生をせず精進料理をいただくのが昔からのならわしです。
お供えのお膳には「九重椀」という漆器を使います。精進料理といっても難しく捉える必要はありません。肉や魚を使わずに野菜や、果物、海草などを使う料理でよいのです。
仏教が伝わる以前の神道においても、精進料理のような考え方はありましたが、現在の形式は鎌倉時代の禅宗で確立し一汁五菜の形式となったようです。
お盆には、肉や魚を食べないことも多いですが、最近は気にせず食べることが多いので、各地域の風習やご家庭の事情を考慮して、何を食べるか判断されるのが良いかと思います。
最近の「お盆」はどうなのか?
お盆はご先祖さまや故人の霊が家に帰ってくるといわれています。そのため、多くの人がお盆に実家に帰省します。
精進料理でもてなすのが、伝統的なならわしだといわれても、最近はそんなことはあまり気にされていないのではないでしょうか?
最近は豪華な食事が多い
最近の「お盆」の食べ物といえば、年に数回しか集まらない親戚と豪華な食事となる場合も多いでしょう。
外食も増えがちですし、大勢の親戚が集まったら宴会料理なんて家庭もあります。
しかし、お盆は夏真っ盛りなので連日暑い日が続きます。そのため、最初から少なくしておく、食べやすいものにしておく、などと工夫しておけば残すことなく食べることができますのでおすすめです。
意外な「夏おせち」がおすすめ!?
帰省中は自宅とは勝手も気候も違うので、体調も崩しがちです。中にはストレスで疲れがどっと出る場合もあります。
暑さとストレスでご飯も喉を通らない・・・なんてこともあるかもしれません。そんな時にさっぱりした食材が詰まった「夏おせち」がおすすめです。
内容は販売先によって異なりますが、サラダやマリネなどのさっぱりしたおかずの他、体力をつけるためにお肉や肉団子、大人も子供も楽しめるデザートなど様々な種類のおかずがたっぷり詰まっています。
値段は5,000円~20,000円程度まで、人数やおかずの種類によって選ぶことができます。
おせちと聞くと「冬に食べるもの」というイメージがありますが、お盆に合わせて帰省する家族で会話やお酒とともに楽しい食事のひとときが過ごせそうです。
基本的に冷蔵保存できるものでさっぱりした料理が多めに入っているので、暑い夏にぴったりと言えます。
まとめ
お盆に食べるものは、何といっても精進料理ということになりますが、最近はそんなことを気にすることも少ないはずです。
ですからあまりこだわらずに、気楽に好きなものを食べるのがいいでしょう。特に決まりはありませんが、夏に旬を迎える野菜や果物は栄養価が高いですし、元気に夏を過ごすために体にも良いと思いますよ。
また、最近では暑い夏でも食べやすいように工夫された「夏おせち」もあります。
久しぶりに親族で集まれるという場合にはご馳走を食べても良いと思いますが、「仏様や先祖の霊に感謝し、供養する日」ということは忘れないようにお盆の期間を過ごしたいですね。
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