夏休みの宿題に出されて頭を悩ませるのが「読書感想文」ではないでしょうか。毎年のように「今年は何を読もうかな?」と迷っていませんか?
私も息子が2人いるのですが、小学生の中学年の息子は「どんな本を読めばいいかわからない」から始まり、「何を書けばいいかわからない」「うまくまとまらない」など、毎年のように悪戦苦闘しています。
今回は小学生の「読書感想文」について考えてみましょう。
読書感想文を書く前に
読書感想文を書く前に、まず考えておくべき大切なことを整理しておきましょう。
本を選ぶコツ
・興味を持てる本にする
・無理に中・高学年向けや、難しい本にせず、読みやすい本にする
・ページ数の割に字が多い本
感想として書くポイント
主人公の気持ちに変化が表れたとき
・自分が共感した場面
・興味がわいたところ
・感動した場面
このように、感想を書く描写が分かりますので付箋を貼っていくと、あとでまとめるときにすごく楽です。
こう思ったところは、色別の付箋を貼るというようにしておくと良いでしょう。
子供への接し方
「字が汚くて読めない。もっと丁寧に書きなさい!」
「また簡単な本ばかり書いて。たまには別の事を書きなさい!」
など、小学生の子供がせっかく一生懸命書いた文章を否定してはいけません。
小学生が本を読んで文章を書くのは大変な作業です。最初は下手でもいいので頑張って書いていることを褒めます。ただし、しっかり文章を読み、何が書かれているのかを理解し、優れているところを褒めましょう。
読書感想文の書き方は、原稿用紙に縦書きにします。現在、メールやLINEなどで文章を書く場合、ほとんどは横書きです。本来、日本語は縦に書くのが基本でした。なぜなら、日本語が美しく見え、書けるからです。親が小学生・低学年に最初に言ってあげるのは、「原稿用紙に縦に書きましょう」です。
教え方のポイント
小学生の読書感想文と言っても、低学年、中学年、高学年と大きく3つの段階に分けて教え方のポイントが違ってきます。
それぞれの段階におけるポイントを整理してみました。
低学年
親に反抗せずに、素直にきいてくれるのは小学生・低学年です。しかし、読書感想文をいきなり「書け」と言って原稿用紙と本をドン、と置かれても子どもは何から手を付ければ良いのか分かりません。
小学生・低学年にとって一番の難関は「本選び」です。書店や図書館に行ってみて、本を知ることから始めます。
小学生の子どもにとって一番の良書は、大人が良いと思うものとは違い、好きな事、興味があること、今はまっていること、などが挙げられます。
子供の側に立ったアドバイスが大切です。
中学年
小学生・中学年になると段々と慣れてきて、自分で本を読む子もいます。
「うちの子は本を読みません、どうすればよいのでしょう」と話す親も居ますが、子供は親の姿を見ているものです。
親が読書を生活の中に定着していると、自然と子供も本に興味が沸くかもしれません。これは作文でも同じで、小学生に読書感想文の書き方を教える以前の問題です。
例えば、子どもがゲームを買って欲しいとねだったとします。欲しい理由を作文で書き、それを読んで「なるほど」と思ったら買ってあげると言うと、子どもは一生懸命文章を書きますよ。
対価で子供に押し付けてはいけないと思いますが、例として、何故「書く」ということが重要か、文章表現することを学んで欲しいですね。
高学年
小学生の高学年になると「考えて読む、読んで考える」ことが、読書感想文の書き方だと学びます。
熟読は一冊の本に真剣に向き合い、今の自分の思考の偏りを知り、知識を増やし自分を高め、本から学ぶ読み方のことです。書き方も深く追求するようになります。
本を読むのが苦手な人は絵本がお勧めです。小学生・高学年なのに絵本なんて、と不思議に思う人もいるでしょう。
「絵本は、子どもの心を育て、大人の生き方を変える」と言っている人もいます。
本でも絵本でも深い感動を与える優れた作品もたくさんあります。是非、ふれてみて、感受性を豊かにして欲しいです。
読書感想文の書き方・教え方
「小学生の読書感想文」の書き方は、「はじめ」「なか」「終わり」の3つの構成で組み立てます。
「はじめ」は書き出し部分で、簡単なあらすじや、本を読むきっかけなどを書きます。
「なか」はどの部分でどんなことを感じたのか、心に強く残っていること、感動したことを書きます。1、2、3と並べたり、1つに絞って書くこともできます。
「終わり」は結びとなる最後の部分です。「なか」で書いたことを元に、今の自分の考えや今後どのようにしたいかを説明します。結びの文章は書きだしと関係し、全体のまとめとなるので矛盾しないよう気をつけます。
小学生らしい書き方で、自分の本心から望んだことを正直に自分の言葉で書くと良いです。
① はじめ 書き出し
なぜこの本を選んだのか?きっかけを書き出すといいでしょう。
また、本の紹介から始まるのもいいですね。
② なか 中心部分・内容
ここは一番内容が濃い場面なので、しっかりと重点を置いて書くようにします。
付箋、メモでまとめたことを書いていきます。
場面で印象に残ったことを書いたり、自分だったらこの時はこう行動したなど、主人公に自分を置き換えて考えてみるのもいいと思います。
読書感想文の大部分はポイント②がしめることになります。
「すごいなと思いました」だけではなく、
- 誰のどのセリフがすごかったのか?
- 誰の行動がどうすごかったのか?
など、具体的に書きましょう。
③ 終わり
ここは自分の感想を書いていきます。
「具体的にはこの本を読んでこんな影響をうけた!そして自分の生活にどう取り入れていくのか」を、書くとよいでしょう。
ここで「思います」の表現の仕方について。
これを覚えるととても簡単に書きやすくなります。
・ ○○だと感じました。
・ ○○な気持ちになりました。
・ ○○だとわかってきました。
・ ○○な興味がわいてきました。
同じ文末を避けるためにも、これらの表現の仕方を使ってみましょう。
中学年、高学年の場合は、親がすべてサポートするというよりは、自分でまず考えさせてみて、ポイント部分だけ、教えてあげるのがいいと思います。
本当に、読み切れる作品を選ぶようにアドバイスなども必要かもしれませんが、まずは、最後まで自分の力でできるように、陰で協力してあげましょう。
まとめ
読書感想文は、本を読んで何を感じたかを文章に落とすものですので、感受性や想像力がなければ、良い読書感想文は書けません。
最近は本を読む子供が減ってきているため、感受性や想像力がないと言う話もよく聞きますね。読書感想文を書くことは、普段本を読まない子供が、読むきっかけにもなっているのです。
小3や小4の中学年から本を読むようになれば、単純に文章を読む力にもなり、今度の学力の発達にも好影響があります。
大変かもしれませんが、文章を読んだり書いたりすることに慣れ、読書感想文が以後の成長につながるようにしたいですね。
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